ファンダメンタル編   2.財務指標    


   株価収益率PER】   Price Earning Ratio   


株価収益率PER(倍)=株価÷1株当り利益EPS

株価に対して、その企業が稼いだ1株当り利益【EPS】がどの程度であるかと示す投資尺度です。
言い方を変えれば、株価が企業の年間利益の何倍まで買われているかを表しており、その株価が同業他社と比べて割安か割高かを判断しようとする指数です。
例;PER(20倍)=株価(1,000円)÷年間1株当り税引き後利益(50円)

企業の業績は収益、つまり1株当り利益に反映されるので、PERが高ければ、利益に対して株価が高く買われていることを示して『割高』、PERが低ければ、利益に対して株価での評価が低いことを示して『割安』=『お買い得』と判断されます。業績発表があって増益率が2倍であったとすると、その時点で予想PERは半分になります。ということは、もとの水準のPERまで買われる=株価が2倍になる、可能性があるということです。
通常、PER20倍前後が割高か、割安かの分岐点と言われています。ちなみにPERが30倍〜100倍以上と大きく買われているような株は将来の成長を見込んで先行投資されている人気株であるとも見て取れます。
ただし、PERには何倍までであれは買いなのかという基準はなく、同業種の銘柄や業界平均PERと比較することが必要で、しかも研究開発に多額の投資をして利益が少なくなっているケース、土地や株式の売却益を計上して利益が加算されているケースもあるので、この指数はあくまで参考程度にすることです。

大体のPERであれば、時価総額と当期純利益から計算することも可能です。
前期の利益ベース……PER(倍)=時価総額÷当期純利益
今期の予想ベース……PER(倍)=時価総額÷予想純利益
※  時価総額とは  株価×発行済株数
     当期純利益とは  EPS×発行済株数

この指標は現在までに生き残っている、つまり有効な指標であるとみなせますが、問題点もあります。

  • PERは業績修正の発表によって一瞬で意味が変わってしまうリスクがある
    • 業績悪化が発表されれば、その途端にPERは割高となる上、株価は当然下がる。ゆえにPERはより割高となり保有する理由は失われてしまいます。
  • 「理論上の株価へ向けて動き出すのが明日なのか半年先なのか分からないことで、投資効率が悪過ぎるのです。」(「選抜レース優勝者が明かす儲かる株の選び方」p.23)

私の経験ではほとんどの株はPER10〜30倍の範囲内に含まれます。また天才投資家においても、「割安株を買えば損も小さくて済む」と考える方もいれば、「PERが十分に高くなったのを確認してから買う」と言う方もおり、一概に○○倍ならばよいというものではないようです。
「我々の調査ではPERと急騰株には低い相関性しかなかった。ある銘柄は急騰前にPERが10倍だったが、別の銘柄は50倍だったという具合に。」ウィリアム・オニール(「マーケットの魔術師」p.230)
ただし、ほとんどの天才投資家はそれぞれがPERについての哲学を持っているようで検討材料としては欠かせないもののようですので、あなたもぜひ記録を残して自分なりの見解をまとめられたらよいのではないでしょうか。

1株当り利益EPS(円)当期純利益÷発行済株数
EPSとは1株当たりの税引後の最終利益(当期純利益)になりますが、今期のデータは当然予想した数値を基にしており、特に企業が発表した数値には期待値が含まれているという点を考慮しておいた方がよいでしょう。

   株価純資産倍率PBR】   Price Bookvalue Ratio   


株価純資産倍率【PBR】(倍)=株価÷1株当り純資産BPS

平成バブルによる地価高騰時に、企業の収益だけではなく、資産価値にも目を向けるべきだという考えのもとで重要視されるようになった指標です。
1株あたり純資産【BPS】を算出し、株価がその何倍まで買われているのかを見る指数です。
PBRが高いほど、企業が保有している資産(現預金・土地・株など)を大きく超えて、過大に評価された株価だということになります。PBRが高いほど割高、低いほど割安と判断します。
PBRは解散価値の指標でもあり、1倍がその分かれ目(1倍以下なら解散してお金に換えた方が株主にとってはマシという状態)となります。
サブプライムの暴落時には、ホンダ等の優良企業のPBRまでが1倍を割ってしまい、解散価値以下という悲惨な状況になってしまいました。恐るべし!

しかし、この指標にも問題点があります。それは、

そして、 投資家はその企業が清算されることを念頭に置きながら取引しているわけではないので、M&Aを目論んでいる企業でもない限り、PBRの倍率で株価を測るのは妥当ではないという意見が主流となっています。

1株当り純資産BPS(円)=純資産÷発行済株数
1株純資産とは、純資産を発行済み株数で割ったものです。
純資産とは、資本金、資本準備金、利益準備金などの内部保留の合計額です。

   実質株価純資産倍率Qレシオ】   日本版PBR   


実質株価純資産倍率【Qレシオ】=株価÷1株当り(純資産+含み資産)

Qレシオは、PBRの計算に用いる「純資産」に「含み資産」を加えて計算する指数です。「含み資産」が多額の場合、PBRだけでは株価が割高なのか判別できないために使用されます。
※「含み資産」とは土地などを購入したその当時の価格(簿価)と現在の価格(時価)との差額のこと
実際の純資産価格(簿価ではなく時価)に注目した点ではPBRより優れていると言えます。ただし、企業がどのくらいの含み資産を持っているのかを正確に知る手立てはなく、計算には推定値を使っているため、指数としての信頼性に欠けるのが弱点です。

バブル期の異常に地価が高騰していた頃、企業の純資産にあたる土地や建物などの簿価(貸借対照表などで使われる会計上の価格)と時価(実際の流通価格)との差が大きく開いたことが問題になりました。このままではPBR が正確に機能しないため、それを修正する指標として、日本で生まれたのがQレシオです。
ですが、地価の値上がり率が異常に高かったために、意図に反してQレシオが1を下回る企業が出てきてしまいました。結局これでは正確な企業価値を測ることは難しいので、PBR でも大差ないのではないでしょうか?どちらにしろ、含み資産の計算に問題がないか、十分な検討を加えることが大切です。
これは根本的に日本の会計システムに問題があるとも言えますが、ネット上などで開示している財務情報の更新が格段に早くなっている点を加味すれば、大きく誤差が出ることも少なくなっているのではないでしょうか?

   総資産利益率ROA】   Return On Assets   


ROA(%)=経常利益(または営業利益)÷総資産

ROAReturn On Assets/総資産利益率)とは、総資産に対する経常利益または営業利益の割合を算出して、その企業の投資効率をみる代表的な指標です。
日本企業では、このROAの低さが問題となっています。統計の取り方によってデータは変化しますが、3〜5%なんていう数字まであります。100万円を使って、1年間で稼ぐ金額がわずか3〜5万円ということです!これでは国債を買ってるだけと大差がありませんからね。

   自己資本利益率ROE】   Return On Equity   


ROA(%)=税引後当期純利益÷自己資本(株主資本)

昨今、『株式会社は本来的には株主のものである』という意見が重視されるようになって、取り上げられるようになったのがROEです。
ROEReturn On Equity/自己資本利益率)とは、株主から預かった資金をどれくらい効率的に利益化できているかを見る指標です。

   配当利回り/配当性向   


配当利回り(%)=1株配当÷株価×100
配当性向(%)=1株配当÷1株当り利益EPS×100

配当利回りとは、株価に対して何%が配当金として支払われる予定かをみる指標です。
配当は決算後の年1回、または年2回支払われるもので(金額は株主総会の決議による)、計算のベースとなる配当金額は予測ベースになります。
つまり、通年配当金額は変わらないものとして計算しますので、株価が下落すれば配当利回りは上昇するということになります。利回りが高いほど投資効率が高いと言えるわけです。
ただ、日本の配当利回りは一般に低く、一流企業でも配当を行わないところが多々あります。それは以下の言葉に要約されているでしょう。

「配当は1株あたり利益ほど重要ではない。実際、会社が配当を支払えば支払うほど、会社の体力は弱くなる。内部で必要とする資金を配当してしまうため……」(ウィリアム・オニール(「マーケットの魔術師」p.235


こちらは【かんたん、やさしい、初歩しょほ 『 株 』 投資でミリオネア入門】です。
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